薬は毒にもなる
- 2018年06月22日
こんにちは(^^)
ファイナンシャルプランナーの小川です。
おうちを買うときの相談、お子様の進学資金のご相談等を受けていく中で結構頭を悩ませることがありますので、少しご紹介したいと思います。
『貯蓄目的の保険がすご~く邪魔』
得に外資系の生命保険会社の営業さんに多い提案なのですが、終身保険といったタイプの保険を使い貯蓄しながらその間の保障を得るという提案を受けて契約されている方もなかなかな割合でいらっしゃいます。
保険って本来は掛け捨てでその間にもし何かがあったら保障してくれるものですが、解約したときに返してもらえるお金があるので毎月保険料としてお金を強制的に貯めて、支払いが終わった後に貯蓄として使うという使い方もできるのです。
こんな使い方をお伝えすると
「へぇ~、預金しておくよりもお得だね」
「後で返ってくるから良いよね」
といった感想を持つ方も多く、一見するとお得なこのプランを契約される方って結構いらっしゃいます。
この保険商品自体を否定するつもりは全くありませんが、残念ながら途中で解約した方が良いケースが多々あり、途中で解約すると結局掛け捨ての保険に入っていた方が良かったということもあるのです。
よくある提案のパターンが、60歳や65歳までに保険料を払い、その間の保障を得ながら老後の貯蓄ができるというパターンです。
そして、支払いが終わると払った金額が少し増えて返してもらえるという。
なんだか魅力的にも見えますが、落とし穴もあります。
例えば、今30歳の人がそんなタイプの保険に入ったとしますよね。
すると、60歳までにどんなことがあるでしょうか?
・車を買う
・家を買う
・子供が大学に進学する
などなど、こんなお金の掛かるイベントがあるという方も多いでしょう。
新車を買えば小さなサイズでも200万円くらい、家を買えば2000万円、3000万円くらいのローンを組むことになります。
そして、お子さんを大学等進学させたいとお考えの方は学費と家賃分、目安として1000万円程度を準備しておく必要がありますよね。
さて、60歳よりも前にこれだけ大きなお金が必要になるわけですが、その保険料をずっと払い続けていけるのでしょうか?
月々2000円、3000円くらいの金額ならばあまり問題ではないかもしれませんが、平気で毎月2万円、3万円といったそれなりに大きな提案をされているケースが多いのですが、中には60歳までに5万円ずつ払うような高額な保険を提案されていることもあります。
「老後にはそれくらい貯金しておかないと足りなくなります」
とか、そんなことを言われるとついつい納得して契約しちゃいますが、老後よりも前に必要になるお金があると結局そのときに解約しなきゃいけなくなってきます。
家を買うときには致し方なくその選択肢を選ぶことがあります。
保険料が払えずに解約してしまうと結局お金が減ってしまうことにもなりますし、何より保険で最も大事な保障がそこで終わってしまいます。
それでは保険としての機能も本末転倒になってしまいますし、貯蓄をわざわざ減らしてしまうことにもなります。
保険や金融商品は人生の資金計画のための手段の一つであり、いわば薬のようなものです。
正しく処方しなければ毒にもなってしまうかもしれません。
なので、保険商品や金融商品はその商品だけを見ずに、何のために、どのように活用するのかを考えた上で契約することが必要です。
保険屋さんは商品のことには詳しくてもなかなかそこまで考えて提案してくれる方は少ないものですので、あなたが自分自身が判断できるよう第三者の立場の意見を聞いて考えてみると良いでしょう。