「忖度」って読めますか?
- 2018年07月19日
こんにちは!
ファイナンシャルプランナーの小川です。
『忖度』
この漢字、あなたは読めますか?
森友学園を巡る問題で昨年話題になった言葉で、『そんたく』と読みます。
意味は相手の気持ちを慮る
ということです。
日本語って難しいですよね。
私も森友学園の話題が出るまでこんな言葉は知りませんでした。
さて、この言葉は私のようなおうちの予算や住宅ローンのコンサルをするファイナンシャルプランナーの立場でも該当することがあります。
開業当初、私は工務店の提携先を探して提携の話を持ちかけました。
私にとっては工務店と連携することで相談しに来てくれるお客様と出会うことができますし、工務店にとっては正しい予算の考え方や住宅ローンの考え方をお金のプロの立場からお客様に伝えることで他社との差別化になると考え提携を持ちかけていました。
しかし、私のその行動は間違いだったことに後に気が付きました。
いざ提携先の工務店と連携し、お客様をご紹介いただいた際に私が行った予算の診断結果をお客様に提示すると・・・
「もうちょっと何とか増やせませんか?これじゃうちの予算には合わないんですよねぇ・・・」
と営業の担当者さんから。
お客様にとって家づくりは一世一代の大きな買い物。
予算の決定で失敗すればローンのために一生を台無しにしてしまうかもしれません。
でも、それと同時に工務店にとっても一棟契約が決まるかとうかは会社の利益、営業成績を大きく左右する大問題なのです。
ここで私はファイナンシャルプランナーとしてお客様の立場に立たなければなりません。
工務店の立場に立って予算を水増ししてしまったら工務店の営業マンと同じですから。
自分が納得できる仕事をしたいから実家の会社を出て独立したというのに、ファイナンシャルプランナーとして本来あるべき立場を捨てて住宅会社の営業マンのような仕事をするのが嫌だったからです。
その後その工務店とは疎遠になってしまいましたし、新規の工務店に提携の話を持ちかけるのを一切やめました。
さて、最近は保険代理店や生命保険会社の社員さんがファイナンシャルプランナーの資格を活かし、ハウスメーカーや工務店からの紹介で無料で相談を受けられることも増えてきています。
その理由は家を買うタイミングは住宅ローンの団体信用生命保険を組むため、また保険料のムダを見直す絶好のチャンスだからです。
実家の会社にいた頃の私もそうですし、私の仲間にもそんな形で保険募集をしている人もいますが、住宅購入時のライフプランニングをきっかけに生命保険を見直し自分が取り扱っている安い保険の販売ができること、火災保険の契約で利益を得ることができます。
大手ハウスメーカーではもう保険代理店や生命保険会社のFP資格者と提携し、無料で相談を受けられるのが一般的になってきているのではないでしょうかね。
さて、住宅購入時に保険の見直しをすることは確かに私も推奨しますが、保険代理店の社員さんの立場で、もしもハウスメーカーや工務店から私のように「もうちょっと予算を増やせない?」というようなことを言われたらキッパリ断ることができるでしょうか?
保険屋さんも同じく営業マンです。
営業マンは成績が欲しくて欲しくてたまりません。
保険屋さんは売り手側の立場であり、第三者の立場ではないのです。
中には心は公正中立なFP、収入源は保険という良心的な方もいらっしゃることでしょうが、圧倒的大多数は工務店、ハウスメーカーに忖度するであろうことは容易に考えられますよね。
工務店、ハウスメーカーの無料相談でも何にもしないよりはずっとマシですし、保険屋さんに見直しをしてもらって保険料を安くしてもらうこともやらないより断然やった方が良いです。
しかし、無料診断の結果を鵜呑みにしてしまうと売り手に忖度した危険な予算、返済計画になってしまうかもしれませんし、不要な保険を勧められたりということもありますのでご注意下さいね。