かんぽ生命の問題から思うこと
- 2019年08月12日
こんにちは!
FPネットLIVRA 代表FPの小川です。
かんぽ生命の不適切な保険募集行為について問題になっていますね。
職員が自分の営業成績のために顧客にとって不利益になることを承知で契約を結ばせていた事例が今回のことで多数確認されました。
保険というものはなかなか一般の方にはわかりにくいもの、信用して契約していたのにそんなことをされていたら嫌ですよね。
かんぽ生命で契約されている方や、他社の契約を結ばれている方も自分は大丈夫なのか、不安に思われている方も多いのではないでしょうか?
今回の問題、元保険営業の私からしてみますと
「やっと問題になってくれたか」
と思うところであります。
今回のこの問題、かんぽ生命だけが非難を浴びていますが他社の契約でもよく見かけることがあります。
例えば、貯蓄性の保険で昔の利率の高い契約を
「保険料が安くなるから」
「保障内容が良くなっているから」
という理由で新しい契約への切り替えを勧める営業からの提案。
もううんざりするほどそんなケースを目の当たりにしてきましたし、不利益になる切り替えを
「これは利率の高い契約ですので大切にとっておいた方が良いですよ」
と言ってお客様の不利益になる切り替えを阻止したことも中にはあります。
私が所属していた保険代理店のメンバー等、保険屋さんとしてお客様と真摯に向き合って自分たちの商品の中でお客様に対しできることを考えてくれる営業も勿論いますが、残念ながらまだまだこのような不適切募集も見受けられます。
そして、驚いたことに中には家族や親戚、仲の良い友達に対してもそんな不適切な募集行為をしている営業も少なくはないということです。
自分の大切な人達の不利益になる提案って、一体どういう心境なのでしょうね・・・?
全く理解できないのですが、過剰な圧力が掛けられていたり、周りの皆がそんな雰囲気だと段々その罪悪感も薄れてしまうのかもしれませんね。
今回の件で再確認させられたのは、やはり信用できる人だからといってその人にお任せしてはいけないということです。
悪意が無かったにしても、自分でしっかり考えずに任せてしまい、思っていた契約と違う等のことがあるとお互いの関係を悪くしてしまうかもしれません。
親しき仲に礼儀ありという言葉がありますが、親しい仲だからこそわからないことはしっかり聞き、自分の大切なお金のことなのでよくわからないまま決めてしまわないことが大切だと感じました。
さて、前置きが長くなりましたがこのことはマイホーム購入にも言えることです。
「営業マンがよさそうな人だから・・・」
「信頼できそうな人だから・・・」
建築会社を選ぶとき、こんな理由で選ぶ方も少なくはないのではないでしょうか?
そして、金融機関でローンを選ぶ際も何となくで何となくで流されていませんか?
もしそうだとしたら大変危険な状況です。
かんぽ生命の今回の問題が教えてくれたのは、営業マンは必ずしも顧客の利益のために提案をしてくれるわけではない、自分達の利益しか考えない会社もあるということですよ。
それもかんぽ生命のような絶大なネームバリューを持った元国営の巨大企業であってもです。
家づくりのこと、家づくりのお金のこと、自分である程度勉強して、何度悩んで決めていただかないと
「こんなはずじゃなかった・・・」
ということになる危険性が高くなります。
特に、営業にとっては目の前に営業成績というものがあり、会社からの圧力があると営業の立場としてはどうしても意識が行ってしまいます。
そうなればあなたの利益よりも家を売ることを第一に考えてしまうのは仕方が無いことです。
金融機関の人も、利益になるローンと利益にならないローンがありますので、利益になるローンの方を勧めたがるのは当然のことです。
そして、もしそれがあなたに適していないと思う場合でも時にはそれを勧めなければならないという立場も営業の立場です。
いかに信頼できる人、親しい人だと思っても、あなた自身が必要なことはしっかり勉強して、判断材料をしっかり持ちながら自分で判断する必要があります。
自分で勉強して疑問なところはとにかく聞く
その結果自分にとってベストな道を選ぶことが本当に営業さんのためにもなりますし、何よりあなた自身のためになります。
一生で一度の大きな買い物、お金のこと、家づくりのこと、しっかり判断基準を身に着けましょう!